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この空の花 長岡花火物語の一のレビュー・感想・評価

この空の花 長岡花火物語(2012年製作の映画)
3.8
“この雨痛いな”

日本映画界の巨匠 大林宣彦監督作品

新潟県長岡市で毎年8月に開催される花火大会をモチーフに、いくつもの苦難を乗り越えてきた長岡市の歴史と人々が花火に託した想いを描く

あまりにもアバンギャルドな演出に次ぐ演出は、不思議な夢を見ているかのよう

ドキュメンタリータッチで描かれつつ、強烈な反戦メッセージの込められた作品なので、ジャンル分け不可能な全く新しい映画を観た感覚

次々と繰り出すぶっ飛んだ演出と、目まぐるしく変化するスピード感に面食らいましたが、長岡花火は平和への祈りと願い、そして戦争と震災を通じて、非常に重いテーマを観客に投げかける

これほど重いテーマで、虚実入り乱れるファンタジックな世界観は体験したことがない
フィクションなのかノンフィクションなのか
無限に想像力をかき立て、予想を遙かに超えてくる凄まじい作家性

一見すると映画的には不要なレベルの大量のテロップや、あえて棒読みさせてる演技、あえて安っぽいCGなどと様々な映像表現もいちいちぶっ飛んでる

正直2時間40分は長いけど、長岡花火の歴史を通じて、戦争や震災に長岡という街がどう関わり合っていたのかを知る事ができるので、観る価値は大いにありました

なにより壮大な花火の美しい映像は、激しく胸を打つ

今更ながら物凄い巨匠の作品を観てしまった
これが大林宣彦なのか…👏🏻👏🏻👏🏻

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