恥と外聞

マトリックスの恥と外聞のレビュー・感想・評価

マトリックス(1999年製作の映画)
4.0
初めて通しで観たのめちゃくちゃ悔いてます。

この尺で短いと思わされるのは本当にヤバすぎる。
そしてこの映画に影響を与えたギークでナードなカルチャー全て、あるいは逆にこの世界が映画に与えられたエッセンスなりアイデアが多すぎて、しかもあらゆるエンタメに意識・無意識を問わず織り込まれた文脈が複雑すぎる。
というかこの20年でそういう世の中になった。
幸か不幸かこの世の中がそういうものを尊ぶ方向に発展?した。

もしこれが『エイリアン』とか『ブレードランナー』程度には評価されてなかったとしたら普通におかしいと思う。
だって現実と近未来を行き来する唯一絶対のツールが電話線てかADSLみたいなやつってことはもう二度とそんな発想で撮れない映画ってことじゃない?
申し訳ないけどNokiaのケータイなんて今後死ぬまで使うことないと思わない(少なくとも日本では)?
味方に裏切られることでいとも簡単に絶体絶命の危機に陥る脆弱性も美しい。

時代の雰囲気を最大限に詰め込んだフォーマットで撮られるSFが僕は1番好きです。
後の時代になって模倣のしようも無い作品がマスターピースと呼ばれるべきだと思うからね。

クリストファー・ノーランはじめ平成後半のSF全部記憶リセットして観直したい。
この歳でここにまた戻るの、正直悔しいですよ、マジで。