恥と外聞

ボーはおそれているの恥と外聞のレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
1.5
ひどく頭痛がする。

『ミッドサマー』?
はて、ちょっと聞いたことがありませんねそんな映画は。
こちとら陽キャのヤリチンヤリマンどもには興味が無いもんでね。
ボクはセックスしたら死ぬ病に冒されているのにも関わらず、どうしたものかセックスしないと出られない部屋に閉じ込められてしまったようなんだ。

これ観て罪悪感を覚えない人はあぁ、良い人生だったと思ってそのまま一生を終えてもらって結構至極かと存じます。

人間誰しも抱える親(母性)への矛盾した感情を巧妙に言語化し、映像化されてしまってこれは堪えるものがある。
セラピストは冒頭で既にそのことを指摘している。
テレフォン人生相談にかけてくる人の半分くらいはこの映画を観れば依頼が解決するはずだし、絶望して考え直してみて欲しいな、と思います。

狂気の珍妙映像100連発かと思いきや実はみんなそれぞれ思い当たる節もあるんではなかろうか。
みんな敢えて表現の場に出していないリアルっていうか、本当のタブーって、まさに人生の一番核心にあるプライベートに関する追憶なのではなかろうか。
アリ・アスターは母親とコレを観たということらしいけど、多分それが一番健全な関係性な気がするよ。

神に相対して懺悔するとき、そこに無原罪の人など現世に一人として存在しない。

生きててすいません。

でもそうやって人は生きていくものだから、そう言い聞かせながらやっとの思いで我々は劇場を退出し、重い足取りで家路に着き、それでもまた新たな一日を迎える他ないのである。

「怖いなー怖いなー😰、、、でも怖くないよ〜👻」という振り切れなさで大変疲れる映画だった。
確かにさほど長いとは感じなかったし寧ろここまでよく説明してくれたとは思ったけれど、流石に二度は観る気にならないので、映画体験そのものに対する採点としては標記の通り。