恥と外聞

マーベルズの恥と外聞のレビュー・感想・評価

マーベルズ(2023年製作の映画)
3.0
ファンと物語をなんとか繋ぎ止めようとしてる努力は分かる。
尺が短いのはマイナス要因にはならない。
女性キャラクターの人間的な魅力を開拓する作品ももっとどんどんやって欲しい。

しかしながら観客に“今自分が発表済みのタイムライン上の何処にいるのか”を意識させすぎてしまうマーケティングのせいで、マーベル・スタジオにとっては既に自縄自縛のスパイラルから抜け出せなくなっている感がある。
周囲の動きだけならまだしも、作品自体がもうそういう感想になってしまう。

我々は既にバラバラになっているパズルのピースがカネと権力で一枚の絵画として強引にハメこまれる結末だけは知っていて、結局それがいつになるのか、無事に見届けられるのかという答えをただひたすら待ち続ける都合のいい出金マシーンと化している。

もはやこのシリーズは次々と膨らむ夢を観せるエンタメではなく、未来を信じて耐え続ける地獄のマラソンに成り下がってしまった。

カネがあるうちは当然とも言えるけど、スクリーン上の画面自体はまだまだその辺の凡作を圧倒するクオリティを有しているだけに、MCUに未来を託したハリウッドのある分野そのものの行く末も先鋭化して、いつかそのままふっと消えて無くなってしまわないか心配にすらなる。

パク・ソジュンが出演するから、というだけで母親にこの映画が認知されている個人的な事情だけが笑えた。
ただまだもう暫く辛抱する余裕はある。
なんとか持ち直して欲しいと切に願う。