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隠し砦の三悪人のhanaのレビュー・感想・評価

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)
4.0
ひっそり”世界のミフネ祭り”第3弾。

かのジョージ・ルーカスが惚れ込み、SWシリーズに多大な影響を与えたと有名な黒澤作品。
はい面白い‼︎笑。
最高のエンタメ作品ですよ◎

戦国時代、敵国”山名”との戦に負けた”秋月”の雪姫(上原美佐)と、姫の忠臣真壁六郎太(三船敏郎)。焼け落ちた城から逃れ、隠し砦に身を潜めていた所、百姓の太平(千秋実)と又七(藤原釜足)と出会う。同盟国へ落ち延び秋月家を再興させる為、蒔きに隠した軍資金(金200貫)を担ぎ、4人で道中を共にする事になるがーーー。

黒澤映画はいつも登場人物・ストーリー共に大変魅力的なので、ルーカスが参考にしたというのも納得です。
勝気でじゃじゃ馬な雪姫。忠義心と男気溢れる名将真壁六郎太。ダメ百姓を絵に描いたような太平と又七ーーー。

冒頭。太平と又七の2人が、小競り合いをしながら荒野を歩くシーン。もうどうしたって砂漠を歩くC3POとR2D2にしか見えません笑。
そうかぁ〜、ここから生まれたのかSW。と思わずにいられない。
この2人クズなんですが、いや本当にクズなんですが(2回言う)笑。でも憎めない。普段やたらと罵り合うくせに、追い込まれた途端「仲良くすべぇなぁ〜」「うんっ」と、手に手を取り合う仲良しさに何か癒されます。

そして今回のミフネの男前さと言ったら‼︎最初こそ、遠まきにでも分かる山賊ルックに戸惑ったものの笑。喋って動いたら、これはもう完全に武将ですね⁉︎です。今回のミフネは武将です。
三十郎の時の渋さとは一味違った、男前な三船敏郎です。三十郎の時に若干垣間見えていた愛嬌とかは、今回は太平と又七にくれてやった様です笑。(完全に私が観た順番で喋ってます)
服装こそボロボロですが、髷(まげ)はきちっと結ってあるし、しゃべり口や威厳のある風体は当たり前の様にかっこいい。

話の展開も”災い転じて福となす”的な転がり方が面白く、その度に太平と又七が右往左往しては六郎太が喝を入れ、雪姫が静観みたいな構図が◎ミフネの全力ビンタ痛そうです笑。

観ていて度肝を抜かれる様なシーンがいくつかあるんですが、中でも馬で逃げる敵に追いすがりつつ、一刀両断叩き伏せる場面のミフネの馬さばきと刀さばきが凄すぎる。両手で刀を構えてるので脚だけで馬を操ってるんですが、その姿が全くもって美しい。見惚れました。
SW(4~6)のライトセーバーがチャンバラごっこに見えてしまう辺り、やっぱり黒澤映画の殺陣の本物っぷりは一朝一夕ではないんですね(当然ながら)。


笑いどころいっぱい。目を見張るアクションいっぱい。そしてミフネの男前さいっぱい。観終わったあとの爽快感も含め、純粋にエンタメ作品として楽しめる黒澤監督の傑作です。



黒澤作品を知らなかった数ヶ月前までの自分に、喝を入れる意味で↓↓↓

スターウォーズは観るのに黒澤は観ないなんて、そんなバカな⁉︎笑

両方観ないって方は、どっちも面白いからぜひ観てください笑。
hana

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