さとり

銀河鉄道999のさとりのレビュー・感想・評価

銀河鉄道999(1979年製作の映画)
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それは確か小学校の時。朝の校長講話の時間に当時の校長先生が、その限られた時間で「銀河鉄道999」を上映してくれた記憶がうっすらあります。それが出会いです。

その後2021年明けたあたりで、地元の映画館で上演されることになった。
私は「空の向こうにあるもの」を追い求める傾向にあるので、予告を観てワクワクしながら足を運びました。
田舎の映画館ということもあったけど、(確か平日)それなりに人が入っていて、上映開始を静かに待っている。という空気が漂っていました。
今回Dolby cinemaで上映されると聞き、駆けつけました。

劇中、私は時間城の辺りで、自分の母なるものを感じました。大袈裟と思われるかもだけれど、本当に「あ、私の前世はこの世界だ」と思ったほど、近いものを見ている感覚になりました。

この映画を好んで鑑賞しにくる人たちは、心に鉄郎を宿した過去・現在があると思う。それはなぜか。
もともと私たちは有限の命しか持ち合わせていない、そして永遠は決して手に入らない、その事を知っている。だから鉄郎が機械伯爵・アンドロメダ星(=永遠)の破壊をしに行くことを応援するのかもしれない。そんなことを思いながら物語は進んでゆきます。

そしてゴダイゴによる主題歌。今では聴くと元気になる曲として使われている。しかし、あさ街中で聞くとなぜかしっくりこない。「さあ行くんだ、その顔をあげて」
たしかに清々しい気持ちにはなるが、しっくりこない。
理由はきっと、この映画のラストシーンが夕方だからある。

メーテルが氷の惑星・冥王星に帰るとき、鉄郎が必死に「メーテルーー!!!」と叫び追いかけるあのシーン。
メーテル行かないで、
一緒にいよう、
大好き、
元気でな、
ありがとう、
さようなら。
きっとどれもその後に続くことはできるけど決して言わない鉄郎。その別れは夕方。だからだ!!決意の夕方にこの曲は似合うのだなぁ。
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