さとり

フェアウェルのさとりのレビュー・感想・評価

フェアウェル(2019年製作の映画)
4.0
家族。切っても切り離せないことがわかりきっている、存在。
それなのに、今年は家族・親族に会えない事態になった。
私も漏れなく会いたい人に会えず、また私の母が1番それをくらっており、そのもどかしさを間近でみてきた。
この作品は、多くの人々がスムーズに会えていない親族の温かさをナイナイがやってくれている。
というか、求め、掴み、手に入れたかった人間的な優しさというものをナイナイが観客にくれているようだった。

ひとつ映画で知れたことは、中国の食事って、かなり自由な感じなんだなぁと思った。お作法を守るとか行儀良く。とかそういうのがあまりない感じ。それがなんか良いなぁと思ってしまった。
箸は適当に持ち、姿勢は斜めに。めちゃくちゃ喋りながらとる食事は栄養だけじゃないパワーもくれるんだ。
でも、今それを制限されてるんだ。キツイなぁ。と思ってしまった。

ラストシーンも大好き。
まだ何者にもなりきれていない主人公が、街中で、ナイナイを想い、気合を入れる。声を発しても誰も気に留めない街で私はまた頑張ろうと思えるシーンがあるから、傑作と呼ばれるのがわかる。
「何を成し遂げたかではなく、どう生きたか」

良い映画ー!!
さとり

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