このレビューはネタバレを含みます
「忘れられない恋」だと予告で言っていましたが、このお話は終わってしまうイメージのある「恋」、に分類されるのではなく、終わらない彼らの話であって欲しいと切に願ってしまう。
きっと、このお話がこの世に存在しなければ、今ケ瀬が大伴が涙を流すことがこの世においてあり得なかった。物語にしたことで、原作漫画でも実写でも、苦しむ今ケ瀬と大伴、そして夏生がいた。
しかし、これが物語であるから、わたしは他者理解ができるし、自己理解もできる。
今ケ瀬という存在によって、大伴は自分自身の気持ちに気づけた。
なら、それで良くないか。
だから、わたしはこのラストをとても肯定したい。正直で、不器用さを持ち合わせるこのラストを。
これが愛なのかは、本人にしかわからないけど。
「わたしが私の自身に気づくこと」を描いた映画は美しいと思った。