のら

ノウイングののらのレビュー・感想・評価

ノウイング(2009年製作の映画)
2.0
一見平凡なパニック映画のように見えるが、実態はキリスト教福音派の教理が色濃く反映された宗教映画。

ストーリーとしては意味不明な数日の羅列が実は人類の過去と未来の大惨事を予言した物で、主人公の宇宙物理学者がその謎を追って行くという、ここだけ取るとダ・ヴィンチ・コードなんかに似た話に見えるし、主人公が無神論者として描かれるので宗教とは無縁の映画に見える。しかし話が進み数字の意味を理解するに連れて神を信じるような描写に変わっていく。そして話の中盤あたりで正体不明の男たちが主人公の息子に接触し、主人公が追い払おうと男たちを追いかけると、男が主人公に向かって口を大きく開いて口から光を放つという天使の描写として良く使われるシーンが登場する。

さらにラストシーンでは唐突に子供たちがUFOらしき物にのって安全な場所に行くシーンがあって、福音派の教義の中に終末にさいして信徒は天に引き上げられるという教理を暗喩している。

こういった福音派の教養がなければ、B級パニック映画として悪くはないのだが、やはりこれはパニック映画に偽装した宗教映画で終末にさいして子どもとして描かれる心清きもの達を神が救うという話になっている。
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