広島カップ

セント・オブ・ウーマン/夢の香りの広島カップのレビュー・感想・評価

4.5
主役の盲目退役軍人(アル・パチーノ)の登場シーンから俄然引き込まれます。
この先二時間をこいつと一緒に映画の時間を過ごすのかと思うとワクワクして来る強烈な個性。

『ビバリーヒルズ・コップ』(1984)『ミッドナイト・ラン』(1988)でもその力量を見せましたが、羨ましい男同士の関係を描くのに一日之長があるマーティン・ブレスト監督。

本作ではクセの強い盲目の退役軍人と名門高校の苦学生(クリス・オドネル)の歳の差ペアで男同士の関係を描きます。

ボストンからニューヨークに行く退役軍人のサポート役としてお供することになった高校生。
話が進むにつれ少しずつ軍人の人間的なしかも男としての魅力に惹かれていき大人の世界に足を踏み出していきます。
「嗚呼、俺も若い頃にこんな魅力的な大人と巡り会っていたらなぁ」と思わされます。
すれ違う女の香水や石鹸の匂いをピタリと当てたり、極上の女とやってから自殺をしようとするシーン辺りには男の本質が垣間見えてきます。

ラストに流れるどっかで聴いたことあるメロディ……と思ったらチャップリンの『街の灯』でした。
同じように盲目の人を扱っているとはいえいくらなんでも反則ですよぉ、ブレスト監督。笑
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