アーリー

ロックンローラのアーリーのレビュー・感想・評価

ロックンローラ(2008年製作の映画)
3.4
2023.5.17

原点回帰的な作品。変わりゆくロンドンに触発されて作ったらしい。

ロンドンを舞台にしたクライム・アクションかな。主演はジェラルド・バトラーやねんけど、語りはマーク・ストロング。バトラーのキャラが主役っぽくない。一旦彼をメインに撮影してたけど、途中から脚本変えたんかなぐらい脇役になっていった。いきなりシドニー・ショーの名前が出てくるし。ロンドンの裏の顔レニーとロシアの成金ユーリによる争いに、ジェラルド・バトラー演じるワンツーが所属する地元のチンピラ、ワイルドバンチが絡む。かつレニーの義理の息子でジャンキーのロックスター、ジョニーが引っ掻き回す。はずやったんちゃうかな。ダンディ・ニュートン演じるステラが物語に入れて無さすぎるし、群像劇と捉えるにはそれぞれのグループ分けみたいなのがはっきり出来てないように思える。ただ単純にロンドンの変化を描き、土地が高騰してることや金が集まっていることを示し、劇中ではロンドンの裏の顔が殺されるオチにすることで時代は変わっていくことを表現したってこと?それだけなんかな。それぐらい脚本にストーリーがなかった気がする。

あっさりと2回大金を奪われるユーリサイドにも疑問。ユーリの反応も緩いし。レニーとユーリの交渉もずっと緩いし、なんかずっとすれ違ってる感じ。「ロック・ストック〜」では二丁の散弾銃。「スナッチ」ではダイヤモンドとそれらの作品では印象的なアイテムが出てきた。それが今作では幸運の絵画。今作ではユーリの所有物で、レニーに貸した後ジョニーがそれを盗んだ。ある意味三つ巴の展開になりそうやったのに一切なし。オチには使われたけど、話のメインになっていない。なんか色々と微妙。

部分部分では面白さを感じる瞬間がある。ジョニーの覚醒とか。話のテンポも良い。コメディセンスも戻ってきた。でも全体的にみるとあんまり面白くない。話がどこに向かってるのか悪い意味で読めない。主役の不在が一番の原因かな。シドニー・ショーの流れも唐突に感じる。作中で言及されるシーンあったかな。見逃してるだけかもしれんけど。伏線になってないからそんな終わり方されても。

こんなに微妙な感じの作品久しぶり。まぁでもこんな作風を観たいっていう観客の期待に近づいたのはいいことやったんかも。

キャストが過去1で豪華。リュダクリスをワイスピシリーズ以外で見る日が来るとは。トム・ウィルキンソンの演技が印象的。ガイ・リッチー作品はこういうキャラが似合う。弱そうやのに劇中では強い権力持ってる感じ。真面目に不真面目な笑い。
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