池袋新文芸坐にて。
こちらの作品も山内鉄也「忍者狩り」同様、ただの時代劇ではない！！はじめは加藤泰が演出する予定だったらしいのだが…（クソ観たかった…）しかしそれを跳ね除けるなかなかの出来栄え。その辺のホラー映画なんかより脳裏に植え付けられる驚いた顔独特の怖さもあり、権力が次第に逆転するという構図と面白く、脚本的な強度も充分にありで様々な角度から楽しめる一本。
菅貫太郎演じる田代が「悪」に染まっていく様が心地良い。いやその人にとってはそもそも悪なんかではなく、それが正義なのである。ギレンホールの「ナイトクローラー」しかり、どんな困難にぶち当たってもやり遂げる信念みたいなモノて（人間的にはクズかもしれないけど）眼を反らせないチカラがある。
主人公近衛十四郎の信念のグラつきも半端ないし、恋模様の御都合主義も半端ないのだけど、それでも許せてしまう近衛十四郎の愛らしさと面白さと渋さたまらん。そして「忍者狩り」同様佐藤慶の顔面惹きつけ力半端ない。
非常に良く出来た映画として名高いのも頷ける隠れた名作。
散ることに美学を見出しがちな、さすらいびとにオススメしたい一本。GYAOで観れるっぽい？
