Omizu

宇宙飛行士の医者のOmizuのレビュー・感想・評価

宇宙飛行士の医者(2008年製作の映画)
3.6
【第65回ヴェネツィア映画祭 監督賞】
『ドヴラートフ レニングラードの作家たち』でベルリン映画祭芸術貢献賞を受賞したアレクセイ・ゲルマン・Jr.による作品。父は『フルスタリョフ、車を!』のアレクセイ・ゲルマン。

良くも悪くも不思議な映画だった。メインビジュアルからするとSFものなのかな?と思ったけど実録宇宙ものだった。

とはいってもタイトル通り宇宙飛行士の健康管理を任されている医者の男の物語。ただ物語らしい物語はなく、興味深い会話の応酬と唐突な素晴らしく美しい映像、男と妻ともうひとりの女の三角関係をなんとなく描く。

面白いかと言われると抵抗があるんだけど、おそらくこれが監督がつくりたかったものだと思うので一定の評価はしたい。芸術性の高いものが好きなヴェネツィア映画祭の特性を考えるとなるほどヴィジュアル的には文句なし。

過剰にドラマ的になることはなく、静かに精神を病んでいく医者の男を不思議なタッチで描き出す。

こうやって書いてるといい作品だったような気がしてくる。
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