良い脚本に、良い演技。映画の必須要素はその二つ。ソフトクリーム屋がたぶん必ずコーンカップとクリームを用意しなきゃいけないのと同じにね。
内容を河にたとえれば、、、清冽な上流。水の色が変わった中流。濁が再び清となった下流。そんな転調転調の最後、“河口”の平凡さがまたいいんだな。無芸さと紙一重の、平凡な幸せに、ちょっと泣く。いや、その前から泣いてた。
実際に途中でフィーチャーされたのは魅力的な海水浴だけどね。モノクロ映画観て「あー、あたしも海につかりたい」と思ったのは人生初かも。
にしても、元嫁役をもしもベティ・デイヴィスがやりでもしたら、アドリブ高じてジョーン・クロフォードに殴り殺されかねない、、と想わせた修羅場もあった。
たった一回、クロフォードの口から“必然性100で・いきなり”出る言葉「神様、私を救ってください」 → 次の場面で医師が言い渡す「(私は)奇蹟のようなことは起こせませんよ」 → さらに苦悩。“無私の”愛。なお続く懊悩を聴いてくれる“孤独の達人”も慰めにならず。その果てに、どう動いたか。。。。。。。
奇蹟ではなく愛だけが最後に本当に人を支える。
映画と音楽とのちゃんとした相思相愛も、こんなにも麗しい。