枯葉の作品情報・感想・評価

「枯葉」に投稿された感想・評価

mingo

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3.8
ジョーンクロフォードを迎えてアルドリッチが初の女性映画に挑戦する会話主体のメロドラマ。本作が撮られていないと「何がジェーンに起こったか?」はうまれていない。饒舌な色男、怪しい詐欺師など人物も続々登場し、結婚・離婚・財産分与と物語の焦点が次々に切り替わるので観客の想像通りには進んでいかない。。。冒頭にナットキングコール「autumn leaves」、アルドリッチ作品によく合う。大悟とノブくらい合う。そういえばアビさんが観に来ていたな、、、
男女のどろどろ感が今すぎるもう一回作品、、、
にく

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R・アルドリッチ『枯葉』。失恋の痛手から婚期を逃し仕事一筋に生きてきたJ・クロフォード(52歳)。好青年に言い寄られ結婚してみれば、その男は心に病を抱えていた。画面内外で頻繁に流れる「枯葉」は男の行動が怪しくなり始めるや否やピタリと止む。だが思わぬ大団円を召還するのも又この歌だ。
糸くず

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4.2
第40回ぴあフィルムフェスティバル
〈女も男もカッコいい! 今こそアルドリッチ〉
ムチコ

ムチコの感想・評価

4.6
これも父なるものへのオブセッション。
手=生活の糧を容赦なく壊す(痛い痛い!)
精神医療に対するスティグマはなかなか…時代を感じますが。

ジョーン・クロフォードの濃すぎる眉毛と下着の透けちゃってる野暮ったいドレスはいろいろ乗り越えちゃってる家主との対比。
覚悟を決めるとき、ドレスの色は濃色になる。

アルドリッチ映画の好きなところは2分おきくらいに登場人物への好悪が入れ替わっちゃって安定しないところ。人はいつもひと色では描写できない。
ryosuke

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3.9
最初から最後まで魅力的な会話劇が繰り広げられる。会話主体なので映像にはイマイチ迫力がないが、これはこれで面白い。
アルドリッチは音による演出にも気合が入ってていいな。
壁に正面を向けてよりかかっているバートを切り返しで正面から映した映像はちょっと驚いたが、意外に不自然ではなく、リアリズムなんて曖昧なものだと思った。
物語の焦点は次々に変わり、観客の想像通りには進んでいかない。
最初は軽快なメロドラマであったのが、バートの発言に矛盾が生じるシーンでドキッとさせる。ここからバートの闇に主人公が囚われていくサスペンスフルな展開かと思いきや、バートはサラッと白状してしおらしくなり、元妻や父親の方が悪者になってくる。
…と思えばバートの被害妄想が爆発することで緊張感が高まる。そしてその後すっかり弱ってしまったバートを、彼の愛を失うかもしれない状況で精神病院にいれるか否かについてのミリーの決断と葛藤に焦点が切り替わる...というように。
そんな中でアルドリッチは最後の最後だけは「定番の裏切り」を見せて観客を安心させてくれる。
この映画を成功に導いているのは、巧みな脚本もさることながらやはりバート役のクリフ・ロバートソンの熱演が大きいだろう。
前述した通り二転三転するストーリーの中で要求される、饒舌な色男、怪しい詐欺師、情けないしおれた姿、狂気を孕んだ怒り、精神疾患によってすっかり幼児退行してしまった姿という様々な表情を使い分けた演技は見事なものであった。
もちろんジョーン・クロフォードの強さも弱さも見せる姿も魅力的。
milagros

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4.1
精神病の描写にはちとまずいところがあるけれど、それでも素晴らしい演技とテンポ。卑劣な奴らにきちんと正面から罵倒するところとかもう最高。
eigajikou

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4.2
最初メロドラマな展開に油断してたら…驚きの展開。
主題歌でなくテーマ曲の方を親がレコード持ってたから子供の頃良く聴いたけどこんな内容だったとは…びっくりしたなぁ
shibamike

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4.0

このレビューはネタバレを含みます

柴三毛「"雄鳩(おばと)貼るぞキッチン"の映画?」

「鳩の雄と雌はどうやって見分けるの?」3才になる裕子は母親に尋ねた。
母「そう言われてみると確かに分からないわねえ。捕まえてみよっか?」
裕子「うん!」
二人は毒を活用して鳩1羽を殺害し、家に持ち帰る。
持ち帰った鳩と図鑑を見比べてみると、どうやら鳩は雄のようであった。
裕子「へー、これが雄の鳩なんだー」
なんとなく鳩(死骸)の置場所に困った母と裕子はキッチンのホワイトボードに鳩を貼り付けた。

みたいな映画かと思ったら、そうではなく、「"ロバート・アルドリッチ"の映画」であった。しかもタイトル「枯葉」だし。


いやぁ、ラストのミリーに泣けた。
登場人物のミリーやバートに負けず劣らず"孤独"を毎日胸ポケットに忍び込ませて冷凍チャーハンを食べている自分としては、必要以上に共感せざるを得なかった。"孤独"、何と強力な言葉なのか。

前半と後半で雰囲気がガラリと変わる本作。映画の前半はオールドミスであるミリー(40代くらい?)が年下君のバート(20代くらい?)にコロっと参るメロドラマ調。
チャラいナンパから始まるこのロマンスであるが、映画館前でのプロポーズは結構イカシテいたぜ。「君は僕にとって"特別"なんだ!」
このまま年の差カップルのイチャイチャを見せつけられるのか、勘弁してくれよと自分の目つきが厳しくなりかけていた所、映画は急ハンドルを切ってメロドラマを置き去りに。二人の結婚生活は波乱そのものであった。

明るくユーモアのあるナイスガイに見えたバートであるが、怪しい所がボコボコ見つかる。結婚歴あり(ミリーに伝えなかった)、万引き常習者、虚言癖あり、と不誠実の総合商社を地でいくバッドガイだったのである。

「あーあ、ミリー結婚失敗したじゃん。」と我々観客は思うのであるが、何とミリーはバートと別れない。それどころかバートを改心させようとする良妻ぶりを発揮。一度信頼した相手を簡単に見放さないという姿勢は見習うべきであるなと思った。自分だったら速攻で縁を切っている。

バートの不誠実な振る舞いの原因は何なのか?ミリーと我々は注意深くバートの様子を伺う。理由はあっさり判明する。バートの父親が原因だった。絵に書いたようなクズ。バートの(前)妻を寝取る、というエロ本の内容を地でいくようなお父様。バートはその寝取っている光景を見てしまい、あまりのショックでおかしくなってしまったのであった。アルドリッチお得意のトラウマとかの展開である。そして、バートは再び父親と前妻が一緒にいるところを見てしまい、心が粉々になってしまう。

バートは不誠実なのではなく、大きなショックのため、精神病となりそのため支離滅裂な振る舞いをする。ここら辺が明らかになって映画後半のアクセル全開。
とうとう本当におかしくなってしまったバートをまともにしようと、ミリーは最大限の愛情を持って接する。にも関わらず症状が日毎に悪化するバートは日常生活すら困難となり、終日家にこもりっきりに。
夫婦であるミリーとバートであるが、自分には母親と引きこもりの子どものような関係に見えた。バートの身の回りの世話を全てしてあげるミリー。「自分が何とかしなければ…!」ミリーの濃い眉毛がさらに濃くなる。

しかし、ミリーの努力も精神病には敵わなかった。精神病専門医に相談することに。専門医は即刻入院を言い渡すが、渋るミリー。専門医とミリーの会話の中で出る話題が、本作のターニングポイントとなり、映画ラストまで我々観客の眼球をスクリーンに釘付けにさせる。

その話題というのは、"バートが全快した後"のことであった。そもそもバートには精神病からくる孤独といった"欠乏感"があった。この欠乏感がオールドミスのミリーを求めた要因になっていたかも知れず、入院の結果バートが回復し、心の欠乏感が解消されたとき、バートはミリーを必要としない可能性がある、という話を専門医がして、「な、なんてムゴイ…」と自分は生つばゴクリ。
ミリーは極限まで悩む。バートが全快すると自分の元を去り、孤独な日常がまたやってくるかも知れない。捨てられるくらいなら病気のバートを家から出さずに自分が一生世話をする方が…とも考えるが、専門医に言わせると「治療をしない場合、間違いなく両者共倒れだ。」とピシャリ。

こういう二者択一を迫られるシーンを見ると、自分は映画「ドラえもんのび太の恐竜」を思い出す。恐竜ピー助を古代に戻すかどうかで終盤にのび太はメチャクチャ葛藤する。死ぬほど悩むのび太であるが、ハッとして明快な結論を出す。「ピー助のことを思えば、悩む必要なんかないんだ!」と相手を思いやる気持ちで考え、ピー助を古代に帰すのであった。まことにもって人間とはかくあるべきものよなぁと非常に感心する。
本作でも同じ思いやりを目撃できる。
ミリーは自分の欲望を捨てて、バートの幸せを優先した。自分がまた孤独になったとしても関係ないんである。漢である(本当に見た目が男っぽい)。

で、このままラストがゴイス(凄い)!
半年間の入院の結果、バートは順調に回復し、退院許可が降りる。
病院の庭で土いじりをしているバートの前にミリーが現れる。
捨てられると本気で信じているミリーは別れの挨拶を勝手に一気にしゃべり倒す。
本当にしゃべってしゃべってしゃべり倒す。
バートに捨てられる恐怖、でも愛しているから自分の気持ちは伝えたい、などのミリーの弱気な感情がスクリーンからビシバシ伝わって来て自分の眼球は堤防決壊。
しゃべる内容も昨夜寝ずに考えたんだろうなぁ、とか思うと玉砕覚悟の告白のようで、「ミリー、わかったから、もうわかったから…」と白いタオルをリングに投げて試合を終わらせてあげたい気持ちに。
ミリーが本当にバートに捨てられていたら、自分はこの映画4.5点にしたが、映画はハッピーエンドで終わる。ま、別にいいけど。

散ってしまう枯葉のようにミリーとバートから孤独が取れた。枯葉の次は冬であるが、二人は大丈夫であらう。

"孤独の達人"と自称するリズばあさんに弟子入りしてきます。
Marrikuri

Marrikuriの感想・評価

5.0
良い脚本に、良い演技。映画の必須要素はその二つ。ソフトクリーム屋がたぶん必ずコーンカップとクリームを用意しなきゃいけないのと同じにね。

内容を河にたとえれば、、、清冽な上流。水の色が変わった中流。濁が再び清となった下流。そんな転調転調の最後、“河口”の平凡さがまたいいんだな。無芸さと紙一重の、平凡な幸せに、ちょっと泣く。いや、その前から泣いてた。
実際に途中でフィーチャーされたのは魅力的な海水浴だけどね。モノクロ映画観て「あー、あたしも海につかりたい」と思ったのは人生初かも。

にしても、元嫁役をもしもベティ・デイヴィスがやりでもしたら、アドリブ高じてジョーン・クロフォードに殴り殺されかねない、、と想わせた修羅場もあった。

たった一回、クロフォードの口から“必然性100で・いきなり”出る言葉「神様、私を救ってください」 → 次の場面で医師が言い渡す「(私は)奇蹟のようなことは起こせませんよ」 → さらに苦悩。“無私の”愛。なお続く懊悩を聴いてくれる“孤独の達人”も慰めにならず。その果てに、どう動いたか。。。。。。。
奇蹟ではなく愛だけが最後に本当に人を支える。

映画と音楽とのちゃんとした相思相愛も、こんなにも麗しい。 
PFFにて『枯葉』。ナット・キング・コールの autumn leaves で始まる。ジョーン・クロフォードがピアノのリサイタルに行き、そのメロディを媒介にして過去を回想する。暗闇に浮かぶ孤独が、なんとも身につまされるというか、まあ泣けてしょうがない。序盤から中盤にかけてのメロドラマ展開が好き。
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