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長屋紳士録のsayasのレビュー・感想・評価

長屋紳士録(1947年製作の映画)
4.5
戦後東京の小津ほっこり人情劇。父親とはぐれた孤児と長屋の町民達との交流を描く。笠智衆の「のぞきからくりの口上」は見どころ。おっちゃんがどこぞで拾ってきた少年をひょんな事で引き取ることになった飯田蝶子のかあやん。誰の子かも分からないような子どもで小便小僧だし最初は邪険に扱っていたのだが段々と少年に対して愛情が芽生えてくる。幸平の両肩を回す癖がかあやんにも乗り移っててすごい笑えた。何気ないようなシーンがフィルムカメラを通して家族の心の繋がりを感じ取っていて愛しさに溢れる小津の優しい眼差しが目に浮かんでくる。泣けた。
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