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家族の肖像のsayasのレビュー・感想・評価

家族の肖像(1974年製作の映画)
4.0
ヴィスコンティの自伝的色彩が最も濃いと言われる家族の存在意義を見つめた晩年の作品。隠居生活を送っていた教授は貴族的かつ孤独に暮らしていた。ある時、ブルジョア伯爵夫人とその娘や情婦達が住み着き、静寂がかき乱されていく...孤独、老い、人生の終焉。ヴィスコンティの晩年作に一貫して漂う退廃的なエレガンスさがなんと美しい。古色蒼然とした世界に突如モダンな考えの群れが闖入し、現代性と向き合うことを突きつけられて価値観の相違に葛藤するバート・ランカスターの好演。老教授と闖入者との間に世代ギャップを越えた様々な人間関係が生まれてくるのでとても面白い。
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