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ブローニュの森の貴婦人たちのsayasのレビュー・感想・評価

3.8
『没後60年ジャン・コクトー映画祭』にて。
友人関係にあった孤高の映画監督、ロベール・ブレッソンの初期作品でコクトーが台詞監修として参加した作品。
男に振られた女が腹いせに、その男と元商売女を引き合わせ結婚するように仕向ける恋愛心理劇。

「復讐してやるわ...」
愛が絡んだ女の恨みは怖い。決意したマリア・カザレスが愛犬とベッドに横たわりながらそう言い放つ、そして踊り子のダンスの靴の音が鳴り響いて場面が移り変わる繋ぎ方は彼女の胸が尋常ではない程煮えたぎるような怒りの音にも感じて見事な映像手法に唸った。
彼女の鋭い眼光と高貴な悪...これぞ魅惑的な悪女で良き。
フランスの古典心理小説のようなシンプルなストーリーで、『抵抗』でも感じたけれど過度な演出もなく真実そのものを追求していて研ぎ澄まされている。本作は最後の職業俳優との仕事だったと言うし、ブレッソンは以後ますます「シネマトグラフ」を標榜してゆく。

入場者特典で各作品のオリジナルポストカードGet(*^^*)マリア・カザレスの悪女の顔つきが大好物なので嬉しかった♡
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