グラビティボルト

盲獣のグラビティボルトのレビュー・感想・評価

盲獣(1969年製作の映画)
3.0
うぅん。
途中までは可笑しな部屋を持つ母子とそこに連れ込まれた泣き叫ぶ女の話として、少しトビー・フーパー的な要素を感じさせつつ、女が振り回される話かと思いきや彼女が古典的な魔性を振り撒く事で母子の関係が崩される話に変化したり中々面白かった。
盲目の狂人は怪奇映画に合わない純増村映画的な棒読み演技を徹底的に仕込まれていて寧ろ不気味さを増していたし、彼とヒロインの追いかけっこでアトリエの空間を描写したり巧みな部分は多いが、
母が退場して以降は巧みさではなく情念と幻想文学が前に出る作りになっていて少し萎える。
悪魔のいけにえみたいに延々と逃げ出すチャンスを狙って喚く女と混乱する狂人のチェイスを繰り返して欲しかった。