生酒冷造

デモンズの生酒冷造のレビュー・感想・評価

デモンズ(1985年製作の映画)
3.4
イタリアホラーの名だたる映画「デモンズ」。
邦題の売り込み方は3D等、釣りだったのだが、映画自体はストーリーにクセが有り斬新だ。

映画館が舞台。映画館で上映されているノストラダムスの書通りに仮面によって傷を受けた観客がデモンズに変貌し次々仲間を増やして襲いだす。

ある意味パニックホラーなんだが、何が恐ろしいって外に逃げ出すのが不可能なのだ。
超自然的力で閉鎖された映画館での攻防戦が繰り広げられる。
なんでも超自然で繰り広がるタフな設定の映画なのだ。現実離れした異空間って感じが出てる。

まあ、監督独特の作風か、、殺られ役がいまいちストーリーに絡んでこない。
まあ、こんな死に方ありますよって店を開いている感じだが、
しかし、無ければ無いでなんか寂しい。
変な匙加減が多い。

ただ、後半は主人公とヒロインのデモンズ退治の独壇場。
バリバリのロック音楽のなかで、血みどろの活路を拓く。
まるで昭和時代劇だ。

そして超自然的展開での脱出後のシナリオも暗雲立ち込める再生を予言させる。
こういう作りは尾を引く世紀末の余韻がある。
イタリアの黒沢清かも、、誉め過ぎとは思うけど。
デモンズの黄緑色の血や、浮かび上がる血管、、特殊メイクは誉めてもいい。
この映画を経典に、色々続編が出来てるが初作を越えるものは存在していない。
まさにカルト教祖チックな映画である。
生酒冷造

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