設定はすごく面白い。しかも、それをサプライズで明かすのではなく、冒頭でフェイクの世界観をバラしているからこそ、トゥルーマンの日常に没入できる。さすがは「ガタカ」のアンドリュー・ニコルが脚本を務めているだけはある。けど、そこで終わり?少なくても私が見たいのはその先で、ラストもトゥルーマン対クリストフという構図に、視聴者がトゥルーマン側に回っていることのシニカルさが欲しかったように思う。あんたらはさっきまでトゥルーマンがどんな苦境に陥っても面白がっていたくせに、今は偽の世界からの脱出を応援している、視聴者の心はいとも容易く変わるんだ、と。