円柱野郎

3時10分、決断のときの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

3時10分、決断のとき(2007年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

西部劇「決断の3時10分」(1957)のリメイク作品。元々アクションよりも心理描写に特筆すべき部分のあったオリジナル。その設定を生かしつつ親子の話を追加し、情の向き先をシフトさせたリメイク版はなかなか上手いことやっていると感じました。主人公の息子の存在が、ダンの親としての想いと、ベンの自分自身の投射として話を動かしているんだよね。全体的に骨太で見応えがあります。
難を言えばダンの焦燥感はオリジナルより伝わらないし、ベンの仁義に厚さや食わせ者な雰囲気も薄い。中盤のアパッチやトンネルのくだりも特に進行上必要だったのかも疑問だし、もう少し展開の早いオリジナルに比べると若干冗長な気はしたかな。
とはいえ終盤で親子の話に持っていった展開にグッときたのも事実。オリジナルと違う結末ではあるけど、これはこれで。先を想像させるフェードアウトも悪くないです。しかし、紛いなりにもベンを助けるために仲間を、ああいう風に皆殺しにしてしまうとは。そりゃあチャーリーは悪党だろうけどさ。
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