バナバナ

ラブリーボーンのバナバナのレビュー・感想・評価

ラブリーボーン(2009年製作の映画)
4.0
ピーター・ジャクソンは、シャーリー・マクレーンの著作の愛読者だったのかと思う程、仏教的感覚がかなり強い作品。

スージーが今居るところは、天国と地上の間の美しい場所。
しかし、彼女はまだ縛られている。
自分が14歳という生の途中で死んだこと、残された家族、自分を殺した犯人、やり残したこと、等々…。

日本で幽霊というと、この世に強く未練を残した霊魂のことを指すが、彼女は執着を捨て、新たな世界に旅出つことができるのだろうか。
この作品は、サスペンスよりも、そういう精神世界の方に重きを置いています。
サスペンス的要素(犯人への決着の付け方)を強く求めると、肩透かしを食らうことになります。

『ダイアナの選択』は、彼女側からの視点だったけど、本作では、スージー、家族、犯人からの視点を同時進行で自然に見せているので、そのテクニックは賞賛に値すると思います。

私は信仰心は全く強くないけど、こういう世界観は好きなので、精神世界の方に重きを置いた内容になっていても、全然嫌ではありませんでした。
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