もじゃ

キング・オブ・コメディのもじゃのレビュー・感想・評価

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)
4.0
今で言う子供部屋おじさんYouTuberみたいな。登録者数は少ない。
大物コメディアンに憧れ、自身もそうなる事を疑わないルパートだが、誰からも評価されてはいない。彼の夢は叶う?
叶わないよなー、と思って視聴することになる。理想像と現実のギャップが大き過ぎるのは滑稽なんだけど、凄く悲しい。自覚の無いやべー奴だけど自分が何者でも無い事を認められない悲しさがある。誰でも少しはあるかもしれない。
ルパート役のロバート・デ・ニーロはまた他作品とは別人に見えるカメレオンっぷり。かなりの時間が彼の一人芝居なので比重は重い。完全に自分の映画にしてしまっている。凄い。
作りとしては彼がどんな人物かを見せる序盤パートが長い。痛々しさに心地悪くなってようやく動き出す。「タクシードライバー」もそうだったけれど、見る側に与える影響は大きいと思う。どう転ぶかわからないけれど、良くなる訳ない、と思って見るので不穏。実際、悪転しかしない。最後はハッピーエンドでいいのだろうか…唖然としてしまう。
人物を描くってこういう事だなっていう作品。
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