白瀬青

アンダーグラウンドの白瀬青のレビュー・感想・評価

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)
4.5
空襲、ナチスの支配、拷問。地下へ逃れて来る決戦を待てと相棒に頼まれた抵抗活動家の一族は、戦争が終わったことも知らずに15年にもわたりずっと地下に閉じこもったまま武器密造と狂乱のパーティを繰り広げる。一方、地上で政権を取ったチトーは相棒を地下に封じ込めたままプロパガンダにだけはちゃっかり利用し、いまやいっぱしの政治家のような顔をしているのだった。そして15年ぶりに地上に出た相棒は、自分を国の英雄に仕立て上げるプロパガンダ映画の撮影現場を見て本物のファシストによる虐待と勘違いをし、銃を取るーー。

第二次世界大戦からユーゴスラビア内戦までの悲惨な時代を、ろくでもない抵抗活動家たちの狂騒と幻想的な演出で駆け抜ける。奇作。映像で世界を創るという点において間違いなく奇作。
白瀬青

白瀬青