白瀬青

THE FIRST SLAM DUNKの白瀬青のレビュー・感想・評価

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
4.3
THE FIRST SLUMDUNK観てきた。むしろ映画じゃなくてなんかすごいバスケの試合見てきた。井上雄彦の中ではずっと頭の中にこのすごい高校生達の試合が見えていて、それをコミカライズにしたのが少年ジャンプのスラムダンクだったんだなーーと思うほどの作品。
漫画原作が漫画でありドラマであるとしたら、映画版はまさに試合そのもののドキュメンタリーなのだ。

今作品では宮城リョータが主人公になり、彼の背景が掘り下げられる。
その他はどんな人気キャラもフラットにチーム競技の試合のイチ選手であり、試合やリョータの物語の流れを寸断しないためなら名セリフもばっさりカットされるし、初めて見る人には個々のキャラの名前すらわからないかもしれない。
それでも山王を見るとバスケが……バスケが上手い……!って感情になるのだからバスケ漫画が上手い。流れるように気持ちよく繋がるパス、気がつけばボールがコートの端にいる。それだけで個々を掘り下げなくとも間違いなく球技の王者だ。
そこから比べたら湘北が個人としてはすげーんだけど個人の身体能力とラッキーでなんとかなってる感が生まれてくるのも絶妙。
試合そのものでありながら、初めてバスケの試合を見る人にもスラムダンクという物語に初めて触れる人にもバスケそのものの持つ感動が伝わるのは、作者のバスケ愛と知識の賜物だ。
スポーツ漫画が上手い……! という話で言うと、最初に「点差がひでえ!終わった!」ってとこから始まるのも巧い。球技知らない私などはアレでギョッとするが、しかしよく考えたらバスケは1シュートで二点、3pなら三点入る。二十点差は話を引っ張るのに最適のサスペンスなのだ。

しかし主人公補正外れると、桜木花道ただの身体能力高いだけのおもしれー初心者だな!?ってなってすごく変! 変だな!? 
白瀬青

白瀬青