実写版GANTZの完結編となる第二部は、サブタイトル通りどの様な“完璧な答え”を提示してくれるのかと、意気揚々と劇場へ。
本作は、前回のおこりんぼう星人から5ヶ月後が舞台。
終始、原作とは全く違ったベクトルで、物語が展開していきます。
実写版GANTZは、前後編を静と動に分けて表現しているらしく、ねぎ星人戦では怯えるばかりで、無益に死人ばかりを、量産していくだけだったGANTZメンバーも、5ヶ月の実戦経験を経て、躊躇なく引き金を引ける程にまで成長。
前作に感じた焦れったさは、全くと言って良い程無くなり、星人との熾烈な戦いを存分に堪能させてくれる点は◎。
ただ、無謀にも大見得を切って冠された「PERFECT ANSAWER」というサブタイトル。
これに関しては、大いにいただけないと言わざるを得ませんでした。
GANTZとは?
星人の目的とは?
なぜ戦わなければならないのか?
この様な、根底に流れる大きな謎はもちろん。
千手観音や、黒服星人らが言っていた復讐について。
なぜ小島たえは、命を狙われなくてはいけなかったのか。
なぜ加藤が現れたのかの、詳しい説明。
などの、今作における重要な謎も、うやむやのまま上映終了。
「はて、完璧な答えはいずこに?」
と…考えた結果、僕なりの憶測に辿り着きました。
きっと、PERFECTANSWERとは、僕ら観客に対する言葉ではなく、玄野がGANTZに示した答えこそ、GANTZにとって完璧だったんじゃないのかと。
つまり、玄野ははじめから、ある選択をする様GANTZによって仕向けられ、戦わされていたのだと、僕は解釈する事にしました。
思惑通り、玄野は100点以上のまんてん(そんなんあったんかい。)を叩きだし、GANTZにとってのPERFECTなANSWERを示めす事になるのですが
その選択については、大いなるネタバレになってしまうので、ここでは言及しません。
でも、きっとその答えは、原作のファンである程驚きの度合いも高いと思います。
(だって、原作ではあんな展開になりようがないから。)
この映画は、その辺の誤解さえしなければ、それなりに楽しめるレベルではあります。
が、内容より何より最も気になった点があります。
それは、生死に対する判定の曖昧さです。
今回の敵である黒服星人は、再生能力を有しており、腕や足などを破壊されただけでは、すぐに再生して中々倒すことの出来ない、厄介な存在として登場します。
もちろん、刀を突き立てられただけでは、怯みもしません…と思いきや、次の敵は背中を一突きしただけで倒せたり、普通の拳銃で倒せたりと、設定が曖昧。
その他にも、こっちはGANTZ銃で数発撃ち込まれて生き延びたのに、あっちはたったの一発で即死だったり
こっちは、壮絶な死闘の果て、刀や銃でズタボロにされても生き延びたのに、あっちは腹を一突きされただけで助からなかったりと、その曖昧さは都合の良い方に容赦なく転がっていきます。
これは、観ている側の緊張感を削ぐ演出だったので、大きく減点。
そして、ラストをああしてしまった事で、なぜ戦わなければならないのか?という謎が、より一層深まってしまったので、そこも減点対象。
無理のあるハッピーエンドは、ある人物に対する絶望を、助長させる演出だったのか?
そんな終わり方だったけど、全体を通して見れば、そんなに悪い印象では無かったよ。