Melko

がんばれ!ベアーズのMelkoのレビュー・感想・評価

がんばれ!ベアーズ(1976年製作の映画)
4.0
"This quitting thing, it's a hard habit to break once you start." (辞めるのはクセになるぞ)

「野球が嫌いなの?」
「あれは取り柄のない奴がやるスポーツさ」

「勝ちたいから僕を出さないで」
「ベンチを温めるためにチームに入ったのか?守備について、ベストを尽くせ」

うおお〜〜!!!良いもの見たぜぇ!!!
これぞまさに「全員野球」
最後の最後まで何が起こるかわからない!

全体的なテイストは、負け犬チームのサクセスストーリーなのだけど、音速で上達できるわけないからずっと下手くそなまんまだし、他チームからはバカにされ続けるし、チーム内優劣で仲間割れは起きるし、ずっっと心がヒリヒリしたまま。
でも、剛腕投手に強打者と多少の強引なテコ入れはありつつも、ヘッポコキッズ達がほんの少しずつチームとしてまとまったプレーを見せていくところは素直に胸が熱くなる
誰かだけが上手くても成立しない
9人でやるスポーツ

飲んだくれで独裁的だけど人情味あるコーチもいい味出してたけど、この作品の主役はやはりキッズたち
印象に残ったのは、
食いしん坊で態度のでかいエンゲルバーグ(図体デカくて足は遅い、キャッチャー以外にやることないかと思いきや、終盤まさかの見せ場が!)
誰よりも野球が上手いせいで浮いてしまう不良のケリー(チームメイトから敬遠されるくだりは切ない)
そしてMVPは、チビなブロンドコンビのルーパス&タナー!
チームで1番小柄なのにチームの誰よりも喧嘩っ早く、口も悪い鉄砲玉タナー
無口で大人しく、運動神経が鈍いため野球がド下手なルーパス 
ルーパスがなかなかひどめの虐めに遭い、庇って応戦し返り討ちに遭うタナー
自分のために戦ってくれた子は初めてだと言うルーパス 男の友情、泣ける…!!
惨めだから野球を止めろと言われ、それでも野球がやりたいタナーを映す序盤
いつもみんなの陰に隠れてばかりだったルーパスが遂に大きな成長を遂げる終盤
始まりと終わりでこのMVPコンビニスポットが当たっていたのが印象深い

勝ちにこだわり、手堅くいくことも時に大事だ
だけど、最後までそれで良いのか?
実力以上の力を発揮できる それがチームスポーツなのかもしれない
誰かのミスを他の子がカバーする
次はお返しにカバーする
時にはプレイヤー本人に考えさせる
命令するだけが監督の仕事じゃない
試合に出る意味を教えてあげることも大事かもしれない

敵ピッチャーのまさかのストライキで巡ってくるチャンスもあるかもしれない!
真っ向から勝負させてほしいよね

勝負に勝って、試合に負ける
相手の健闘を讃えるように聞こえながらバカにしてるチープなエールなんて要らねえ!そんなもんは優勝トロフィーと一緒にケツに突っ込みやがれ!
来シーズンを待ってろ!

何度だって見返してやれ〜!!

お子様向けかと思いきや、なんかめちゃくちゃ色んなものが詰まってたわぁ!
良かった!!!
Melko

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