Melko

ペリカン文書のMelkoのレビュー・感想・評価

ペリカン文書(1993年製作の映画)
3.7
「今のところ、FBIもCIAもホワイトハウスも、文書の存在を否定してる。証人は作者である君1人だ。君が消えたら、正義も消える。トーマスが喜ぶか?」
「24歳で死ぬよりはね」

これは…自分に置き換えたら怖いでしかない話。興味本位で書いたレポートがいつの間にか知らない人の手に渡り、国の重鎮に渡り、そしてその内容が皮肉にもすごく的を得ていたがために、色んな利権が絡んだ結果、命を狙われると言う。

それは突然やってくる。
彼氏が乗った車が、エンジンをかけた瞬間に爆破……そこからいつ命を取られるか分からない、まさに生きた心地がしない瞬間を過ごしながら、この危機を脱するために色んな人に連絡しまくる主人公ダービー・ショウ。そんな電話も盗聴されまくり、頼りの人間も暗殺され、もう誰も信じられない中、最後に辿り着いたのは、彼氏がファンだと言っていた、とある新聞記者だった。

不安を煽る映し方のバリエーションが多彩なので、緊張感が途切れることなく見れたけど、2時間20分は些か長い。途中で疲れてしまって離脱、2回に分けて鑑賞。
あと、途切れない緊張間の代わりにスピード感が乏しいので、トンデモナイことが次々に起きてるのに、物語がものすごくゆったり進んでいるように感じる。

あとそもそもの設定が気に入らないと言うか、女子大生である主人公が結構な年上の大学教授と付き合ってる時点でちょっと受け付けない…あかんやろ〜
この年下女好きの行き詰まり教授彼氏がそもそもの発端なので、爆死しても、あーあー…って感じ。。

その代わり、役者の演技が良かった◎
点数はほぼ役者の演技に献上。
孤立無援の主人公ダービーを演じたジュリア・ロバーツ、ラブコメメインから演技派へ幅を広げた片鱗が見える。
そんな彼女を必死にサポートし、真実へ向かって突き進む記者グランサムをクールに演じたデンゼル・ワシントンの抑えた演技も良かった。
そんな2人の、危うさの中で育む確かな絆にグッとくる。
爆弾が仕掛けられた車の中での危機一髪は、そっちに気を取られすぎてダービーの話が全然頭に入って来ず、3回ぐらい巻き戻した笑

そのほか、何度失敗しても絶対にダービーの暗殺を諦めない殺し屋の皆さんもいい味出してたけど、何気に良かったのはグランサムの上司役のジョン・リスゴー!白髪の有田哲平にしか見えず、悪役のイメージしかない彼、初めて良心的な役してるのを見た!

ダービーは空想の産物なのでは?ウォーターゲート事件のディープスロートのように…か。その人が名乗り出る前の時代の作品だからか。
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