10000lyfh

沈黙の10000lyfhのレビュー・感想・評価

沈黙(1962年製作の映画)
2.0
姉の急病で鉄道旅行を中断、ホテル逗留中の中年姉妹の愛憎劇。妹の幼い息子を含め、3人の主要登場人物たちの心象が、言動や事象により掘り下げられるが、中途半端に非現実的な世界観の中、遠い世界の人たちを、客観的に眺める鑑賞体験だった。「神の沈黙」3部作の第3作だが、明示的な神への言及はなく、製作当時、ベルイマンに 3部作の意図は無かったかも、と思わせる。むしろ、アントニオーニ「情事」に近い感がした(性的言動が人物関係に及ぼす影響の考察)。多くのシーンが素直に不快(姉が吐血しつつ暴飲/チェインスモーク(マスターベーションはいいとしても)、少年がホテルの廊下で立ちション、など)。深夜の戦車徘徊は唐突でびっくりしたが、序盤の車窓風景からすると戦車基地か製造の町で、試運転兼巡回的な日常風景なのだと思う(製作目線では、ロケハンからの「戦車いいね!ここにしよう」くらいの流れじゃないか?笑)。ラジオから流れるゴルトベルク第25変奏、執拗な懐中時計?のカチカチ音が効果的
10000lyfh

10000lyfh