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沈黙のKSatのレビュー・感想・評価

沈黙(1962年製作の映画)
3.6
「鏡の中にある如く」や「冬の光」に続く「神の沈黙」三部作の一つだが、これはヤバい。わかりやすくてよく喋る内容の前二作に比べ、信じ難いほど「沈黙」している。前半なんかはもう、アントニオーニかよって感じだ。

どこなんだかよく分からない国の異様な様は空恐ろしい。小人や戦車、窓、電車といった意味深なイメージが沢山出てくるし、見ているだけで面白い。ホテルや劇場、バーの怪しい装飾もなかなか印象深いが、なんだか幻覚的だ。デヴィッド・リンチより、つげ義春的?

ただ、姉妹の確執と狂気、近親姦的な親子愛が曖昧なまま描かれ、それに対して「神の沈黙」というのは、ちょっと違和感を感じる。
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