最初のシーンと最期のシーンが呼応する映画って大好き。
自分は例えば「壺」に例えると「口」の大きさと底の大きさがおんなじところで終わる映画が好きで、その点で言えば本作のプロットは全く持って美しい形をした「壺」である。
小さく始まった口が緩やかにその胴体の直径を広げ、一旦狭くなるもの、また広がり、もっとも大きく膨らんだ後に口と同じ大きさに戻って蓋を閉じる。
そういう意味でポンジュノ監督はいつもいい壺を作る職人だと思ってる。
登場人物の対比ひとつとっても前半の関係性がクライマックスで逆転し、追うものの欺瞞とエゴを暴き出す場面など見事だ。
韓国映画の偉大なマスターピース。