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新作『エヴォリューション』をもう少し深く知りたいので、未見だったルシール・アザリロヴィックのデビュー作を鑑賞。
DVDでのレンタルは置いてなく、Amazonでの値段もとても高いため、VHSのレンタルで鑑賞しました。
(余談ですが、TsutayaによってVHSのデッキまで貸してくれるところがありました。)
オープニングに大きく「現実のフランス」と書かれて始まり、親が入院しているため叔母と一緒に住むことになる少女が描かれます。
叔母には若い彼氏がいて、その彼は、少女に対して、、という、吐き気を催すような話でした。
しかし『エヴォリューション』への道筋がハッキリと見える作品でもありました。
幼い少女からの視点。
クローズアップ。
薬。
診察台の照明。
後半に『エヴォリューション』と重なるようにも見える少女の内面描写があり、やはり「デビュー作には監督の本質が詰まっている」という事がわかる作品でもありました。
個人的にはこの『MIMI』の少女のラストの心境から、男性を排除したある種のユートピアとしての『エコール』に繋がっていくような気がします。
そして『エヴォリューション』は前作の『エコール』よりも前に考えていたという事で、この『MIMI』と『エコール』の部分から本質的な部分を抽出してできたような作品だと感じてきました。
『MIMI』から『エコール』へと、目で見えてるものから、記号的、シンボリックなものへと変わり、『エヴォリューション』ではさらに抽象化されて「感触」・「感覚」的なものの描写へと向かう。
この『MIMI』から、監督の「内的描写の旅」が始まったのかもしれません。