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忘れられた人々の10000lyfhのレビュー・感想・評価

忘れられた人々(1950年製作の映画)
2.5
強奪や殺人と共に生きるメキシコシティ下層階級の少年たち。同趣の作品やムーヴメントは世界中に多々ある中で、本作では、スペイン出身のブニュエルが、外側から客観的に見ている感が強いのが、良くも悪くも特徴的。この少年たちの刹那的で絶望的な状況を、世界に伝えたいというモティヴェーションが、本作の製作に至ったのは感じられる。エクスプロイテーションエンタメではない一方で、当事者感覚も薄い。その他人事な目線のせいか、オーディエンス(私)にも響いてこなかった。主要登場人物たちのほとんどが、モラル的に「悪者」で、障がい者からの略奪や動物虐待(撮影でも実際に虐待しているように見える)が酷く、感情移入はできなかった。基本的にリアリズムに基づく作品だが、主人公の少年の一人、ペドロの夢の中での肉の描写に、ブニュエルらしいシュールさが出ている(作家性というのは何かしら表出するものなのか)。記録性は高く、ブニュエル監督ゆえ映画史に残っただろうことには感謝
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