掃き溜めくん

後悔なんてしないの掃き溜めくんのネタバレレビュー・内容・結末

後悔なんてしない(2006年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

『後悔なんてしない』
同性愛に対する理解が今よりも追いついてなかった15年前に、この作品を生み出したことが凄い。真剣に男性同士の純愛映画として描こうとしてるのが良い。
脚本は粗いところもあるけれど、役者さんの表情や振る舞いを見せる「間」が随所にあって、台詞で説明しすぎないところが映画的な表現で好きだなーと思った。作品全体にダウナーな雰囲気があって、同性愛だけでなく、風俗で働く貧困層の悲哀みたいなのも描かれていて、韓国映画らしさがあるところも好き。

スミンとジェミンが同じ穴に落ちて、寄り添っているシーンは、この映画の中で一番好きな場面で、2人が死ぬまでそばにいることが暗示されているようだった。
そんなシリアスな場面が続いたぶん、ラストがちょっと意外だったので笑った。あのハーモニカ音楽はずるい。2人がじゃれあってるシーンで、「勃起した時には真っ先に君のことを思い出したい」云々とか言ってたのは、ラストに繋がってたのか~と妙に感心してしまった。
個人的にはシリアスなまま終わってくれることを願っていたので、やや拍子抜けした感じはあるけど、総合的には評価すると見て損はしない映画だった。