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旅するジーンズと16歳の夏のyukihiro084のレビュー・感想・評価

旅するジーンズと16歳の夏(2005年製作の映画)
4.0
映画のレビューを書く時のパターンは
まぁ、以下のパターンになる。

1.新作映画を初めて観て書くパターン。
2.昔観た大好きな映画を思い出しながら
 書くパターン。
3.少し前に観た映画を何かのキッカケに、
 レビューを書くパターン
4.昔観た映画を、観直してレビューを
 書くパターン。
5.『あっ、これ、観てねーや』と
 観始めたら『あっ、これ、観てるわ』と
 すぐに気付き、自分の記憶力のなさに
 げんなりするパターン。

ちなみにこれは、5のパターン。
案外この5のパターンが多い。やれやれ。
(でも観始めるとスルスル思い出すよ。)

『旅するジーンズと16歳の夏』原題は
(ザ・シスターフッド・オン・ザ・
トラベリング・パンツ)。

姉妹のように育ち、いつも一緒だった
4人の女の子が、16歳の夏、
初めてバラバラで過ごすことになる。

とにかく、バランスがいい。

ティーン向けのようなキラキラ、
わちゃわちゃな感じでも実際ない。
また、ラブストーリー全開って訳でも
ないんだよね。
世界的なベストセラーが原作なので
物語もしっかりしているし、
物語に奥行きも広がりもある。
そして、
4人のキャラクターのバランスも良いし、
4人のキャラクターがそれぞれ良い。

ブロンドセクシー担当の
ブレイク・ライヴリー演じる
『ブリジッド』の派手さと知名度を
含めて、目立ちそうなものなのだが、
他の3人も、とても魅力的で素晴らしい。
むしろ、ブレイク・ランヴリーが
霞んでしまうくらいだ。
イケイケモテ系の自信家ブリジッドと、
清楚で物静かな印象のリーナ、
パンクみたいな見た目でクールで
少し変わり者のティビー、
捲し立てるように喋るが、実は
聡明なカーメン。

ひと夏。それぞれのひと夏。
4人とも主役。4人の物語。
それぞれの成長。それぞれの痛み。

そんな4人が不思議なデニムに出会う。
体型が違う4人なのに、全員ピッタリの
不思議なデニム。トラベリング・パンツ。

彼女らは一週間ずつ履いては、
手紙とともに、友にデニムを送る。
出会いの時も、悲しみの中にある時も。

前半、4人の物語は、短編集のように、
それぞれ長くゆっくり描かれるが、
中盤以降、その間隔は狭くなる。
その(距離感)の見せ方は上手い。
また、序盤と、終盤とでは、
4人の印象はガラリと変わる。

ブリジッドは何故走るのか?
ティビーのドキュメンタリーは
完成するのか?

コロナ禍で、実感する、
人との繋がりや絆の尊さ。
原題にある(シスターフッド)には
相応しい日本語の単語がない。
女性同士の姉妹以上の繋がりを
意味するらしい。

観た人と、膝を突き合わせて、
誰が推しか、どのエピソードが好きか
ワイワイ語り合いたいなぁ。
ちなみに僕はリーナとティビーだ。
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