凄まじほどの男優豪華キャストに勇ましいテーマ曲のマーチを合わせて第二次大戦の一番長い日を描いた作品。
ノルマンジーの海岸だけではなくその周囲や前後の状況における物量作戦を具に描く。とにかく盛り盛りの増し増しの雰囲気。
出撃前の兵士に対して上官が言う「ノルマンジーでは友人は一人だけだ、それは神だ。そしてこれ...銃だ」
(ジャア二人ジャナイノ?)
確かに海岸線の激闘シーンは迫力がありますがその後に『プライベート・ライアン』(1998)が今は在るだけにそうも感じなくなったこちらの感性の鈍り具合を思います。
引きのカメラで大勢の人達を写しているシーンが多い中でエンドロールのバックには戦い済んだノルマンジーの海岸に落ちているひっくり返った米軍のヘルメットのアップ。ここに勇ましいミッチ・ミラー合唱団のマーチを被せてくる辺りが本作の立ち位置を明確に示しています。
ひっくり返ったヘルメットでしょ。少しは哀しみも滲ませて来てもいいと思う。