てっちゃん

アレックスのてっちゃんのレビュー・感想・評価

アレックス(2002年製作の映画)
3.9
2024年の一発目は、まさか?のこちらです。
原題はIrréversible(不可逆)です。
不可逆とは、”逆方向または元の状態に戻すことができないこと”です。

何故お前はギャスパー・ノエ監督さん作品を2024年一発目に選んだのだ?と気になる方もいるかもしれないが、彼の新作「VORTEX」を年始に観に行く予定があったからです。

それと、数年前(でもないか?)に”アレックス STRAIGHT CUT”を劇場鑑賞する機会がありそうだな、観に行けるぞと思ったら、観に行かなかった経緯があり、ずっと寝かしていたのが本作です。
そんな訳で観るのにふさわしいのは、ここしかねえ!という判断になったわけです。

本作はタイトル(原題)が示す通りに進んでいきます。
私は全く前情報を入れないで、本作を鑑賞することにするのがモットーでもありますので、段々と本作の特徴をつかんで観ていくことになりました。

なんだこのおっさんたちは?、なんの話をしているんだ?、なんだこのカオスと化した映像は?、なんでこんなぐわんぐわんな映像なのか?、ん?どういうこと?、うげ、、、えぐいな、もしや?、、みたいな感じで段々とつかんでいきます。

ここで唸ったわけです。
こりゃ心情表現すらも映像でやってるでねえか!と思い、唸ってしまったわけです。
それがとある本作の仕掛けと合わさるので、なるほどなるほどとなるのです。

本作は9分間にも及ぶレイプシーンがあります。
それもものすごくリアルで、ただただ酷い時間が流れていきます。
なんでこのようなシーンを入れたのかが疑問を感じずにはいられません。
役者さんが、ただただすごいんです。
体当たり演技とは言いますが、ここまで体当たりを体現化させた作品はなかなかにないのではないでしょうか。
確かなのは、このシーンがあったから後の出来事が強く影響してくるということ。
でもきつすぎるな、、

ギャスパー・ノエ監督さんは、アート思考がとても高い人だと思っております。
過激な表現や独特な感性はまさにその現れでもあり、それを見せることにより、受け手に考えさせる、記憶に残らせる、体験をさせることを意識しているのかと思います。

まさに体験。
本作が賛否両論を巻き起こし、今もなおそれは変わることがないのは、人々が体験したからに他ありません。

さあさ、彼の新作がとても楽しみになりましたとさ。
てっちゃん

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