東京墨田区に住んでいた少女かよ子は家族の中でも一番の末っ子。
そんな彼女は両親と祖母、3人の兄と平和な生活を送っていたが、日本は戦争に突入し、大空襲によりかよ子は疎開で家族や友達と離れることになる。
落語家、故・林家三平師匠の妻・海老名香葉子さんの、幼少期に体験した戦争のお話。
東京における第二次大戦前から東京大空襲、終戦までを1人の女の子からの視点で描いた作品です。
『はだしのゲン』の東京版と言った所だろうか。
主人公のかよこは林家正蔵(林家こぶ平)の母、海老名香葉子であるということを初めて知って、小さいころに見ていたこの作品をもう一度見直しました。
子供達の視点での当時が垣間見える貴重な映画だと思います。
今から約70年前の日本の情景や家族愛が細かく描かれていて、それが戦争によってすべて壊れていく。
昭和の古き良き時代、どこの家でも同じようにあった光景、それが戦争で一気になくなってしまうことの怖さ。
今の自分の生活では考えられないです。
あの時代の家族の暖かさ、力強さみたいなものがとてもよく描かれています。
今は失われつつある「家族」の形が昔はあったのだ。。。と、教えてくれます。
『火垂るの墓』よりも楽しくて幸せそうなシーンが多いので、その分後半の展開が辛すぎる…。
戦争は悲しいものしか生まない。
この映画を見ても、戦争が必要だと思う人は、人の心を持っていないと思う。
戦争体験者が少なくなりつつある近年、こういった作品で「戦争の悲惨さ」、「戦争は人を人でなくす」などなど・・・を後世に伝えていけたらと思った。