でしょうかな

日本の黒い夏 冤罪のでしょうかなのレビュー・感想・評価

日本の黒い夏 冤罪(2000年製作の映画)
3.4
1995年の長野県松本市、高校の放送部員は、前年に起きた松本サリン事件の報道についてドキュメンタリーを作ることに決めた。彼らは地元のローカル局社員にインタビューをする。

第一通報者の会社員が犯人と疑われたものの、実際にはオウム真理教による犯行だった、本邦における報道被害の代表的な例と言える松本サリン事件を題材にした映画。映画に登場する架空の「テレビ信濃」は会社員犯人説に比較的慎重な立場をとっていたが、それでも不十分な裏付けのまま放映したりメディアスクラムに参加してしまっている。報道倫理を忘れ特ダネすっぱ抜きに取り付かれたマスコミ、一つの説に固執し強引な取り調べを続ける警察、それらを受けて被害者を追い詰める大衆の恐ろしさが描かれる。ただ、テーマと俳優の演技、終盤で描かれる事件の夜の混乱など見るものはそれなりにあったが、マスコミ側の態度のせいだろうか、全体的にどこか気の抜けた作風に思えてしまう。鑑賞中の気分はいまいち高揚するものがなかった。
でしょうかな

でしょうかな