もじゃ

キングダム・オブ・ヘブンのもじゃのレビュー・感想・評価

キングダム・オブ・ヘブン(2005年製作の映画)
4.0
「友よ、あなたの人徳はまだ見ぬ敵の耳にも届く」

1184年。フランスの青年バリアンは十字軍としてエルサレムへ。彼は自分が成すべきことを見つけられるか?

キリスト教が聖地をイスラムに奪還される数年前からが舞台。エルサレム王国は黄昏の時。ボードウィン4世、サラーフッディーン、歴史に名高い人物がたくさんいた時代。この空気感は最高だ。リドリー・スコット監督はこんな歴史スペクタクルが得意だ。
この頃の聖地周辺を一通り見せたいためか、主人公の境遇はメチャクチャ。なんでお前全て目撃してるんだよ、的な。そんな主人公バリアンの人物像は今ひとつはっきりしない。あまり喋らないし。
簡単に言えば12世紀エルサレム体験映画。現代の作品として、キリスト教とイスラムの共存を訴えたいのがテーマかもしれない。十字軍の野蛮さやイスラム側の高潔さみたいなものは表現されている。

俳優陣はオーランド・ブルーム、リーアム・ニーソン、ジェレミー・アイアンズ、エドワード・ノートン、エヴァ・グリーンと超豪華。特にエルサレム王役のエドワード・ノートンは仮面姿であの存在感は印象的。

作品時間は長めの145分。バリアンが騎士となり聖地へ向かう決意をするのがターニングポイント。史実イベントをこなしていく中盤。城壁での演説からが終盤。最初と最後のターニングポイントで上手く回収してるのはベタだけど王道感ある。

人物造形などに色々言いたいことはあるけれど、映像になっただけでも満足な作品。
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