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キングダム・オブ・ヘブンのsoffieのレビュー・感想・評価

キングダム・オブ・ヘブン(2005年製作の映画)
4.0
2005年劇場公開

リドリー・スコット監督

十字軍遠征100年後の1180年代
エルサレム王ボードワン4世の時代の聖地エルサレムでのフランスを中心としたヨーロッパ人と砂漠の民サラセン人との宗教と聖地の緊張状態を描いた映画。

ストーリーの中心は
フランスの小さな町の鍛冶屋の息子(当時鍛冶屋は身分が低い職業だった)が実は十字軍の騎士である領主ゴッドフリーと平民の女性との落とし子で、父の十字軍に参加して父の家名と領地を継ぎ、騎士として成長していく「騎士物語」と「実は自分が英雄だった」的物語として語られている。

この映画は最初、飛行機の中で見て
歴史背景はくわしく分からないけど
オーランド・ブルームがカッコイイし!
エバ・グリーンがもうビックリするくらい美しいし!
リーアム・ニーソンにジェレミ・アイアンズに、1度も顔を出さない仮面の王にエドワード・ノートン使ってるし、凄いスター勢ぞろい!!

そしてエルサレムのイスラム世界がオリエンタルな夢の世界のように美しく描かれていて印象に残った。

3回目に観た時
主人公がフランス人の話を英語で作ってる事にやっと気付いて、オーランド・ブルームはフランス人の役を演じてたんだと気付く。

大作映画の巨匠リドリー・スコット監督の映画らしく、時代背景が分からなくても、画面の役者の姿や衣装に惹き込まれ、騎士たちは屈強な肉体でそれと分かり、戦闘のシーンはどれも迫力で手に汗握り、ヒロインはうっとりするほど美しい。

1180年代のイスラムと十字軍の話なんて、よほど特別な知識がないと理解出来ない、リドリー・スコット監督はよくこんなややこしい時代背景の映画を子供が見ても記憶に残る映画に仕立てあげたなと思った。
さすがリドリー・スコット監督!!

何回見ても飽きない、歴史的背景と演出。
私的にはオーランド・ブルームが1番カッコイイ(レゴラス以外で)映画だと思う。
そして😻エバ・グリーンの美しさにうっとり

リドリー・スコット監督は軍人の家に生まれて、厳しい父から朝は屋敷中のドアノブの真鍮磨きから始まる、という軍隊の様な子供時代を過ごし。
大人になってから監督の家の家政婦さんが日本人でこの家政婦さんが書いたエッセイに「物凄い潔癖症」と暴露されている。
にも関わらず。泥と血に汚れ、砂埃立ち、ごつくてむさ苦しい男達が戦闘を繰り返したり、薄暗い気持ち悪い湿った場所でシューシューと酸を撒き散らすキモいエイリアンの映画を撮っている。
ホントに潔癖症なのかな〜と思っていたが
監督が本物の「潔癖症」なんだ!と納得したのは、このキングダム・オブ・ヘブンは別だが。
「テルマ&ルイーズ」や「グラディエーター」などの作中に出てくる空が1片の雲、1片の塵も無い「完璧な青空」である事に気付いた時だった。
それ以来リドリー・スコット監督の作品を観る時は「完璧な青空」を楽しみにしている。

数年毎に度々観たくなる、観る度に圧倒される映画。
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