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赤ずきんのsoffieのレビュー・感想・評価

赤ずきん(2011年製作の映画)
3.0
2011年公開映画
アメリカ/カナダ合作

グリム童話「赤ずきん」をベースに
「エスター」の脚本家デビッド・レスリー・ジョンソンが脚本を書き

「トワイライト~初恋」の
キャスリン・ハードウィックが監督

レオナルド・ディカプリオ率いる映画制作会社「アッピアン・ウェイ・プロダクション」が制作

主演のアマンダ・サイフリットの美しさが際立つ映画。
「タイム」を観た時からアマンダの美貌の虜になっていた。

1300年代の欧州の山間にある小さな村が舞台。

ダークホラーファンタジー

雪に閉ざされた薄暗い森と、衣装や小道具も凝っていて世界観が出来上がっている

「スィニートッド」や「スリーピーホロウ」のティム・バートンを思い出す世界観

童話の「赤ずきんちゃんは」は小さな女の子のイメージだが、この映画の主人公赤ずきんはアマンダ・サイフリットなので村1番の美少女で、きこりのピーターと鍛冶屋のヘンリー、村1番2番のイケメンから好かれている。

幼馴染のピーターは共に遊んで育った仲でアマンダも彼の事を好きだが、年頃になったアマンダに鍛冶屋のヘンリーは銀の腕輪をプレゼントして求婚する。

全体的に完成された舞台演出と、美少女とそこそこ稼ぎのあるイケメンと、イケメンだがきこりでお金が無い幼馴染、2人の男性の間で戸惑う美少女という王道ラブストーリーコンセプトが出来上がっていると思っていたら…。

~個人的感想なのでうだうだ思った事を語ります⚠️ネタバレ⚠️も含まれるのでゴメンなさい🙏作品として好きな要素てんこ盛りな分、変に作り込まれた複雑なストーリーにイライラ‪させられた
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村人を襲う狼はただの狼ではなく
「人狼」で村に紛れて村人として生活していると分かった辺りから話がややこしくなる。

「トワイライト」の監督だから
人間イケメンとか人狼イケメンとか吸血鬼イケメンとか使い分けるのかな?
トワイライトを知っていれば
「あ!彼が実は人狼なんだな」と思わせる黒髪に鋭い瞳の幼馴染

この映画では無いが
鍛冶屋の息子が金髪イケメンだと
「実は王の落とし子」設定とかありそうな、金髪のヘンリー。

アマンダの姉が狼に襲われて亡くなった所から話は始まる

そして仇を打つ為に狼狩りに村の男達が山に入るが、そこで狼に襲われて亡くなるのは鍛冶屋のヘンリーのお父さん。

ヘンリーのお父さんの亡骸を悲痛な表情で見つめるアマンダのお母さんは、実は娘時代はヘンリーのお父さんと恋仲で、親が決めたアマンダの父親と結婚したという
「親の話」が絡んでくる

⚠️ネタバレ⚠️
村人として美しい妻を娶り、2人の娘にも恵まれたアマンダの父親
↑↑↑↑↑
実はこの人こそ「人狼」
満月の夜と「血の月」の期間狼に変身してしまう設定らしいが…
アマンダが父親が人狼だと知るまでに、視聴者は「絶対ピーターが人狼」と思い込むし、途中から出てきたゲイリー・オールドマン演じる「司教様」も爪が銀色で存在感あり過ぎて凄く怪しいが、結局は普通の人間だったというオチが混乱を呼ぶ

アマンダは人狼の黒狼の言葉が分かる
何故なら父親の血を引いているからだが、姉が最初に殺されるのは
村での生活があまりに体裁が上がらず嫌気がさした人狼父が、まず上の娘に自分の正体を明かすために呼び出した
しかし上の娘には人狼の狼言葉が通じない
そこで
父は初めて上の娘が自分の血を引いていない事を知ると同時に、妻の不貞を知ってしまい、ショックのあまり上の娘を殺してしまう。

次に下の娘のアマンダを連れて村を出るために、黒狼の姿でアマンダに近付くが
何故か狼はアマンダとピーターの幼い頃の思い出「ウサギを捕まえて殺してスリッパを作った」事を知っている(なんで?)
そんな細かいエピソードを黒狼に語られたアマンダは黒狼がピーターだと思い込む

人狼は血族として遺伝する
そして麝香の香りがすると言われている
この香りはアマンダの祖母(父の母)にも染み付いている

ここまで書いて、あれ?祖母の夫であるお祖父さんどうしたのかな?と思うが話には出てこない。
アマンダは物語の後半で夢の中で
「おばあさんの目はどうしてそんなに大きいの?」
「おばあさんの耳はどうしてそんなにとがってるの?」
「おばあさんの口はどうしてそんなに大きいの?」
という「赤ずきんちゃん」の有名な台詞を言うが…お祖母さん人狼なの?
それとも出てこないお祖父さんが人狼だったの?
そもそも息子が人狼って知ってたのかもよく分からない。

父親が妻ではなく、自分の血を引く娘を連れて村を出ようとする意味も今ひとつ分からない、何故ならアマンダは一度も狼に変身しない、人狼語が分かる以外に人狼っぽい所が無い。

幼馴染のピーター、司教、お祖母さん等、誰が人狼なのか散々翻弄されて実は風采の上がらないお父さんが黒狼人狼だったと知っても…え??????って感想しか感じないのは私だけなのか?

月夜に狼に変身出来て、怪力があって、姿だけで人を怯えさせる事が出来るなら、もっと稼ぎ方があったんじゃないのか?
今さら村を出て街に行きたいってなぜ?
いやもっと若いうちから出稼ぎに行くと言って、狼の力使って金持ちになって家族を楽させてようと考えなかったのか?

結局、アマンダは父に腕を噛まれたピーターが人狼になって、お祖母さんが住んでいた森の中の一軒家に移り住んで、満月になると会いに来るピーターを待ってるって話で終わった。

そして人狼狩りで騎士道精神が目覚めたヘンリーは銀色の甲冑着て、死んでしまった司教の兵隊連れて村を出て行くんだけど、その話30秒位でサラッと流されてた。

ハリウッド時代劇でいつも不思議に思うのは、鍛冶屋の息子が騎士道に目覚めると、何の訓練も無く突如銀色の騎士になれるのは何故なのか分からない。

童話「赤ずきんちゃん」の中でも出てくる、狼のお腹に石詰めて湖に沈めるシーンがあったけど、実父の腹カッ捌いて石詰めて恋人と一緒に湖に沈めるのは、見てて、怖いというより、色々複雑な気分だった。
森があるんだから森に埋めればいいのでは?

「赤ずきん」ってこんな話だったっけ?
と考えさせられた映画。
色んな御伽噺の断片が詰め込まれてる様にも思った。

そして沢山の村人が亡くなって…
めでたしめでたし、って話でもなかった。

この映画を最後まで見れたのは
ひとえにアマンダがとにかく美しかった。
透き通る様に白い肌と青い瞳
そして若くしなやかな曲線を描き出す美しい身体と金色に輝く長い髪
真紅のマントが良く似合っていた。

全体に流れる音楽が良かった
アマンダのダークホラーファンタジーPVだと思って観ると良いもしれない。
全編アマンダの美しさが際立っていた。

全くの余談だが
アマンダの父親役を演じた俳優さんの影が薄くて本当に残念だった。
レオナルド・ディカプリオの制作会社が作ったなら、レオ様がアマンダの父親で実は人狼だったって言うなら
「おお、なるほど!」と納得出来たと思う。

御伽噺には様々な「物事の理」が語られるらしいが、絵本「赤ずきんちゃん」は若い娘が1人で森に行ってはいけません、とか怪しい人を信じてはいけません、とか悪い事をしたものは必ず罰を受ける、とか意味が込められているらしい。

この映画では
愛した妻が実は托卵してて
実の娘は父親の言う事を効いてくれなくて
お父さん散々な目に合った上に
実の娘、結局人狼になった若者と恋仲になるという展開だった。

つまり娘は「親の言う事なんか聴かない」って「理」を語りたかったのか…
謎が深まる。

話の詳細がややこしかったが
美しい映画だったので3.0
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