広島カップ

ホーホケキョ となりの山田くんの広島カップのレビュー・感想・評価

2.9
春の海ひねもすのたりのたりかな

『かぐや姫の物語』(2013)を観た際に感心した作画手法ですがその14年前に本作で試みられていました。
古の時代の庶民の話から一転してこれは現代の庶民の話。発表順ではこちらが先なので本作の手法がかぐや姫・・で花開いた感じです。
陰影を付けずに最小限の線と薄い着色で見事に"動き"を出す。その物を明確に画面に描写するのではなく観客の想像に任せる。

いしいひさいちの原作に更にイマジネーションを加え、全体に冒頭の蕪村の句のようなテイストで庶民の生活を描いています。
でも、いしいひさいちは庶民が町の中華食堂で天津飯でも食べながら読むオリジナルのコミックの方が面白いと思います。
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