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ヒロシマモナムール/二十四時間の情事のKeNのレビュー・感想・評価

4.0
BSプレミアムシネマの録画にて初見。

「君はヒロシマで何も見てない。」 by “男”の台詞

ナチスによるアウシュヴィッツ強制収容所をテーマとしたアラン・レネのドキュメンタリー作品『夜と霧』は観たことがあったが、ヌーヴェル・ヴァーグ調の手法で撮られたこの作品の存在は恥ずかしながら、今日の今日まで知らなかった…。
“女”がドイツ軍占領下のフランスの小さな町でドイツ兵士と交際していたが為に戦後迫害されたことを告白した後の終盤の20分ほどがやや冗長に感じられたものの、最近観た映画の中では私的には最もインパクトの強い作品かもしれない。
決して忘れてはならない過去の記憶、逆に一日も早く忘れてしまいたい過去の記憶…。しかし、戦争のような“過ち”を二度と繰り返さない為には、たとえどんなに辛い過去の記憶や経験であったとしても、人々の記憶や記録というかたちで“真実”は後生にしっかりと伝えなければならないのではなかろうか? そうしないことには人類の叡知はいつまでも“進化”せずに、何度も同じ過ちを繰り返すのではなかろうか…?

それにしてもマニュエル・リヴァと岡田英次の二人の演技が見事。
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