ふき

吸血鬼ドラキュラのふきのネタバレレビュー・内容・結末

吸血鬼ドラキュラ(1958年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ハマーフィルムが手がけた最初のドラキュラ作品。
ストーリーは原作に忠実なのだが、とにかくドラキュラがよく動く。
ベラ・ルゴシ氏のドラキュラが「静」としたら、クリストファー・リー氏のそれは「動」だ。
最初から殺す気でやってきたジョナサンを相手に、走る、飛ぶ、首を絞めるの大立ち回り。イギリスに飛んでからは若干落ち着くものの、ピーター・カッシング氏演じるヴァン・ヘルシングに棺を見つけられると一転逃走、ルーマニアに戻るも隠れるところを見つかり、応戦するが日光によって滅んでしまう。
全編に渡りクリストファー・リー氏が本気のアクションを見せてくれるため、ドラキュラの脅威感は凄まじい。
反面、城主として紳士としての威厳を現す余裕がなく、ただドタバタしているようにも見えてしまう。「あっ、やべ!」と言いたげな顔をするシーンも一度や二度ではなく、不敵に「私がドラキュラだ」と言い放つ余裕もない時代に進んでしまったドラキュラに、同情さえ覚えてしまった。
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