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グッドフェローズのしおえもんGoGoのレビュー・感想・評価

グッドフェローズ(1990年製作の映画)
3.7
実在のマフィアの話とのことで終わってからWikipediaを見たけれど、ヘンリー・ヒルは結局はマフィアの構成員ではなく準構成員どまりだったとのこと。
ポーリー一家の規模などが分からないけれど、ゴッドファーザーに比べるとこじんまりした、地域密着型の小規模極道みたいな感じなのかな。そのさらに準構成員止まりなら、ヘンリーは小悪党程度のものだったのかもしれない。

出てくるメンバーの中で一番派手に人を殺しているのはロバートデニーロ演じるジミーだろうけど、とにかくジョー・ペシ演じるトミーが強烈だった。早口で冗談を飛ばしていたかと思うと、笑顔のまま突然キレモードに突入。一応冗談と言うことにはなっているが、あの「何が面白いんだ」と突然詰め始めるシーンは、見ているこっちも背筋が凍った。
中学時代に上下関係がめちゃくちゃ厳しい部活にいたけれど、たまたま先輩と二人で帰った時に思いがけず楽しく会話できて面白かったと思っていたら、翌日部室に呼び出されてその時の態度が悪かったと先輩方に囲まれて怒られたことを思い出した。どこに地雷があるのか分からない、一度怒り出すとどこまでやるかわからない怖さがリアルで、そんな彼と仲良く付き合ってる人も大概おかしい。

もう一つ印象的なのが どれほど汚れ仕事をしようと、大金を稼ごうと、結局純イタリア系じゃないと幹部にはなれない点。構成員になれないのもそこに原因があったのかもしれないが、トミーが幹部になれると聞いて大喜びしているジミーがなんだか哀れでもあった。

全般にドライなユーモアがあって、主要メンバー3人が何となく憎めないなと思うのと同時に、一般市民の側の目線で見たときは彼らの破滅を願ってしまうような、そんな暴力と理不尽さに満ちた映画だった。
ヘンリーはあのまま退屈に、落ちぶれた一生を送ればいいのだ。
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