しおえもんGoGo

MAMAのしおえもんGoGoのレビュー・感想・評価

MAMA(2013年製作の映画)
3.3
Xで流れて来たので

何か不思議な映画だったなあというのが一番の感想。
私はそんなにホラーを見ないけど(ジャンプスケアがめっちゃ苦手なため)、こちらの想定通りに行かない所がなんだか面白かったし、ちょっと感動的でもある。

以下ネタバレあります




まず子供達の叔父さんが主人公ちゃうんかい!ってところがびっくり。
ジェイミー・ラニスターで有名な俳優さんだし、てっきり彼が主役かと思いきや、実質は彼女のアナベルが主役。
良く考えたらタイトルがMAMAだから、女同士の戦いであるのは当然だろう。
「単なる彼女」という設定だから余計に、いきなりこんなワケアリの子供の世話なんて無理ゲー過ぎじゃない?という方が気になったし、実の叔母との面会日を忘れたアナベルをルーカスが責めた時にイラっとした。

次にやっぱり最後の展開。特に赤ちゃんの亡骸をMAMAが捨てたところ。
普通に考えたらあそこで満足して成仏するやん。”成仏”ではないけど。
遺体を受け取った時は嬉しそうだったけど、毛布をめくって骨を見た時に「ん?」と戸惑いつつ、でも「まあこれがうちの子…かな?」と何となく飲み込んで一旦は成仏しかけたものの、リリーのママを呼ぶ声を聴いて「やっぱりね!こっちじゃないよね!」ぽーい
となったように見えて、ちょっと笑ってしまった。
ママは娘じゃなくてお世話できる子供が欲しかったのだろうか。
と同時に子供が一途に母親を求める健気さがちょっと感動的でもある。温かいベッドや美味しい食事よりもママがいいんだね。

そしてリリーは結局ママと共に行ってしまって、そしてそれが必ずしもバッドエンドでも無いという点も驚き。子どもの笑顔は全てを癒す。

アナベルは本当にかっこよくて、なんで私がこんなことしないといけないんだという顔をしつつも、お世話しないと子供達が取り上げられると泣き付かれるとちゃんと面倒を見るし、居場所を誰にも教えてはならないと言われればバンド仲間にも言わない。
「私はママじゃない」と言ってたのに、最後ボロボロになって這いつくばりながら二人を取り戻そうと奮闘する様はグッときた。
サバサバして、情が厚くて、誠実だ。

それに比べてルーカスの影の薄さよ。
5年間も財産を投じて兄親子を探していた人とは思えないほどだ。

実の親子どころか血縁ですら無く、一緒に過ごした時間も一番短いアナベルが、出て来た誰よりも親らしく子供達を守ろうとする。それってもう愛情だろう。

その他

・子供達二人とも体当たりの演技で素晴らしい。こんなに「可愛くない」演技はあまり見たことが無いし、とんでもない三白眼で睨みつけていたヴィクトリアが次第に子供らしい顔を見せていく様も良かった。
・役所の倉庫の管理人のおばあさんが霊媒師か何かかと思ったがただの老婆だった
・父親がルーカスに子供達の居場所を教えるシーンが何となく不自然だった。そこで頑張れるならもっと早い段階で介入してくればいいのに。今まで何をぼんやり見てたんだ。いっそのこと殺された子供達の母親でも良かったんじゃないか。
・子供達があんなに慕っていたという事は、ママはちゃんと優しく育ててたのかな。でもママは四足歩行はしてないのにリリーちゃんはどこでそれを覚えたのだろうか。
・鑑賞後に考察サイトのお世話になって、リリー病気説を見て、しっかり見てる人はちゃんと見てるんだなあと感心。またそれならリリーが最後に一緒に行ってしまった事も分かる。
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