それは生中継だったのか?中継録画だったのか覚えていませんが本作のクライマックスであるキンシャサの奇跡(1974)をその時テレビで観ていたのですよ私。
この世紀の一戦のTV放送があることはその日の朝の時点では気がつかなくて観落とすところだったのですが、普段はそんなことは決して言わない父親が夜「なんだ、観ないのか?」と言うものでテレビの前に座ったのでした。
我が父親もたまには良いことを言います。笑
おそらく記憶の中でデフォルメされているとは思いますが、印象に残っているのがとにかくリングの外が真っ黒だったこと。
漆黒の夜闇の中で観客は皆黒人ばかりで14型ブラウン管TVで観ていたその闘いは一種異様な雰囲気の中で行われていました。
本物感と臨場感優先のリングシーン。数多あるボクシング映画の中でこんなファイトシーンは観たことがない。
ウイル・スミス演じるアリはもちろん、ソニー・リストンからジョージ・フォアマンまで対戦相手の身体の動かし方が本人にとても似ている。
アリの術中にマンマとはまって最後ヘトヘトになったフォアマンが左手でアリにしがみつこうとしながらマットに沈んだフィニッシュまで、あの晩に観たものと一緒。
あの時、私と同様にTVにかじりついていた方には奇跡のようなシーンではないでしょうか。
ちなみにキンシャサの二年後のアリ対猪木戦はとても観たかったのに生中継で観れなかったのはいまだに悔いが残っています。
※本作は猪木戦に関しては全くの無視です。