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ロミオとジュリエットのCisaraghiのレビュー・感想・評価

ロミオとジュリエット(1968年製作の映画)
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大昔に観たのをたまたまBSでやっていたので観てみた。昔観た時のことはあまり覚えていない。

有名なお話で、ストーリー的にはわかり切っていると思っていたが、ここまでジュリエットが追い詰められる話だったことには初めて気がついた。乳母よ、お前もか…。その絶望はいかばかり。

『恋に落ちたシェークスピア』に登場したセリフや場面が数々登場して嬉しい。セリフはどこまでが原作にあってどこからがオリジナルなのかはわからないが、両方の映画で使われているということは、世に知られた有名なセリフ、有名な場面なのだろう。向こう見ずなマキューシオのマブの女王云々の長広舌などはさすがに短くしてあるようだ。全く記憶に残っていなかった乳母も、『恋に落ちた…』同様、シェイクスピアらしいコミカルで口の悪いキャラで活躍、オリビア・ハッセーのジュリエットも多弁でウィットに富んでいるが、ルネサンス絵画そのもののような端整な美しさにはあらためて感嘆。グレーの瞳が綺麗。レナード・ホワイティングのロミオは、私にとって初めて見たロミオだったのと、その後映画でお見かけする機会がなかったため、これぞロミオのイメージとして刷り込まれている。ルックスだけで言えばベンヴォーリオの方が好みだけど。

ラツィオ州アルテーナ、トゥスカーニア、トスカーナ州ピエンツァ、ウンブリア州グッビオ、ヴェネト州パトヴァなど、イタリアのあちこちで撮影され、アカデミー撮影賞を受賞。同じくコスチューム賞受賞の14世紀ルネサンスイタリアの衣装の豪華さはさすが。コスチューム担当のダニーロ・ドナーティさんはもちろんイタリア人で、1978年にも『フェリーニのカサノヴァ』でコスチューム賞を受賞している。監督、音楽のニーノロータ含め、この映画におけるイタリアの力は大きい。

Wikipediaを見たら、ゼフィレッリ監督は当初ロミオ役をポール・マッカートニーに打診したとあって爆笑した。ちょっと見てみたかったかも。
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